今の税理士に満足していますか?
顧問税理士に不満を抱いているという話をちらほら耳にする一方で、「顧問税理士に求めていることは何ですか?」と問いかけた時に、明快なお答えを頂けない場合が多々あります。投げ変えている質問が抽象的なので、無理もありません。そこで、続いてこう質問します。「顧問税理士は、あなた方にとって1業者としての存在なのか、それともパートナーとしての存在なのか、どちらですか?」と。
経営のパートナーならば的確なアドバイスを!
自然なことかと思いますが、ほとんどの方が顧問税理士を経営のパートナーとお考えになられています。しかしながら、経営のパートナーとして具体的に「こんな風にしてほしい」と税理士に期待していることがあるにも関わらず、税理士側がそれに応えられていないことが多いように感じます。「昔からの先生で、なかなか言えない」などとおっしゃる方も時にはいらっしゃいます。しかし冷静に考えてみてください。毎月毎月高額の顧問料を支払っているのに、満足できる仕事をしてもらっていないということは、不幸極まりないことではないかと思います。顧問がいるということは、顧問報酬という人質を取られているということに他なりません。しっかりと的確なアドバイスをもらえるように、顧問報酬の内容について税理士と話し合い、満足できるサービスを受けるべきだと思います。
こんな使い方もあるのか【事例編①】
とあるクライアント先では、今までの税理士に疑問を感じておられました。
そして、先代の経営者がお亡くなりになられたのをきっかけにご相談を頂きました。
お話を伺うと「資金繰り」に関してひどく不安を抱えておられるようでしたので、月次でキャッシュフロー分析を実施することを提案しました。「営業活動」、「投資活動」、「財務活動」の3つにキャッシュフローを分析し、本業でのお金がきちんと回っているのかを診断しました。結果、保険をかけすぎていたことが資金繰り悪化の原因で、「営業活動」ではむしろ、賞与の支払い月を除いてうまくお金が回っているという客観的な結論を得ることができました。
経営者の方はそれを聞いて安心され、その後業績は安定しました。嘘のような本当の話ですが、今では経営課題が「資金繰り」から「節税」に変わっています。
この事例は、経営者が不安を抱えているにも関わらず、顧問税理士が良き相談役になれていない典型例でないかと思います。幣事務所でキャッシュフロー分析をさせて頂いたおかげで、経営者の方は安心感を得られただけでなく、私が出入りしたことで、今まで危機感のなかった税理士までもが、きちんと仕事をしてくれるようになったと大変喜んで頂きました。悲しいことですが、この類の話はよくある話ではないかと思います。
顧問税理士との間にもう一度、緊張感を取り戻す。そのためだけに他の税理士や会計士を使ってみるということも非常に有意義な方法ではないかと思います。「仕事をしない」、「偉そうにする」、「報酬が高い」という三重苦にずっと耐え続けますか?その選択権はみなさんにあるはずです。